ブランディ頑張って・・・

2008年 8月10日。

汗をかきながら絵に熱中してる時に、伊豆資料館の老犬『ブランディ』が吐血をしたと連絡が入りました。粘膜から血が噴き出し大変だったというのです。輸血をした後、少しは持ち直したと聞き、急いで伊豆へと足を運びました。

ブランディは16歳のゴールデンレトリーバーで、伊豆の資料館の看板犬です。2年前、脾臓ガンが肝臓に転移し3ヶ月の命と言われたのですが、獣医さんの治療と資料館のスタッフの手厚い看病で、2年間元気に過ごしてきました。それがこの夏の猛暑で抵抗力が無くなり、突然の悪化となったようです。

伊豆に着くと横たわるブランディが目の中に入りました。もう自分の力では立てません。ハーハーと息をしてる姿を見るのは悲しかったです。
「ジュディさんを待ってたんですよ。」といわれ、心が痛みました。辛らかったんでしょうね。
ずーっと遠くを見てる目が突然焦点が合ったように私を見つめていました。
5月に会った時はあんなに元気だったのに・・・。もう食事も出来ず、流動食になり、今は水もあまり飲みません。よくここまで頑張ってくれています。
「ごめんね、もっと早く来られなくて。」やせ細った体をなでてあげると骨に手が引っかかり、ここまで激やせをしたかと、悲しみが吹き上げました。
今夜は一緒に居ようね。
一晩付き添っていましたが、そばにいると中々寝ず、ずっと私の目を見ているのです。さすがに一度寝かせようとそばを3時間ほど離れ、朝5時に行くと、また目を開けて私を見つめるんです。お水を含ませ、体をなでながらお話をしてあげて、しばらく横で寝ていたら、ベルがなり、スタッフたちが集まってきました。
「みんなが来た!」彼の顔はそういってるようでした。
今日のブランディは元気そうに見え、これならまた、少しは大丈夫かなと思ったぐらいです。




帰るときのブランディ

ずーっとそばにいてあげたかったけれど電車の時間が迫ってくる中、私が顔を近づけて「ブランディ、ありがとう。いろんな人を幸せにしてくれてありがとう。」とささやくと、彼はにっこり笑って、私に顔を寄せ、「僕もありがとう。」と言ったのです。
後ろ髪を引かれる思いで伊豆の資料館を出る時、彼はずっと私を見てました。

精一杯の笑顔です。
私は泣きました。なんていじらしいのでしょう。
彼は本当に天使です。少しでも辛くないようにいてほしい。
ブランディ、本当に本当にありがとう。
貴方は沢山の人に幸せをあげたのよ。
なんて素敵なんでしょうね。
出来るだけ行くからね。





ブランディ永眠

ブランディは翌日、息を引き取りました。
本当に待ってくれていたのね。
ありがとう、ブランディ。
もう苦しくないからね。安らかに眠ってね。

伊豆高原 ジュディ・オング資料館の看板犬
ゴールデンリトリーバーのブランディは
ガンと戦い、手術から復帰し
2年後、8月17日11:36安らかに眠りました。
往年16歳でした


Judy
2008/08/17



甥が手紙をブランディに書いてくれました。

私の甥のワイズ・オングは、いまアメリカのミシガン大学アンアーバンの3年生ですが、ブランディの不調を聞き、すぐに手紙を書いてくれました。よく見るとブランディの舌にはハートの印があるんです。かわいいですね。


ワイズ幼稚園、ブランディ6ヶ月

・・・今年忙しくて戻れない事を、すごく後悔してる。もっとブランディと一緒にいたかったのに・・・
小さいころ、ポメラニアンのリンリンと初めての犬との出逢いがあったんだけど、リンリンは苦手だった。でもブランディに会ってから、僕は変わった。犬が大好きになった。もしかしたら犬だけじゃなく、動物全般好きになったのかもしれない。今、そばにいてあげられなくて、すごく悔しい。「今年こそ会いにいく!」ってここ数年何度も思ったけど、何でだろう、結局会えたのは一回きり・・・ブランディと話したかったことまだいっぱいあったのに。今になってはもう間に合いそうにない。胸が痛いよ。
ブランディ、もう10年経つのに、言い忘れた事があったね。伊豆で初めて逢ったとき、何度も蹴ってごめんね。君のことが怖くて、近づいてきたら反射的に蹴ってしまった。リンリンみたいに僕の顔に噛み付くんじゃないかって、すごく怯えてたから。でも、ブランディはやさしかった。何度蹴られてもそれを耐えて、さらに尻尾を左右に振ってくれた。今思えば、そんなブランディをみたとき、僕の何かが変わったんだ。気がついたら伊豆にいるときはいつもブランディとばかり遊んでたね。犬が大好きになったんだなぁ。台北にもどったら、犬2匹飼ってさ、いつも一緒に遊んでて宿題ほとんどしてなかった。徹夜で宿題をやってたんだけど、結局母さんの方が耐えられなくなって・・。まぁ大変だった。だけど、それもいい思い出だと思う。ブランディのおかげだね。もしあの時母さんが干渉してなかったら、今頃僕は電気工学じゃなくて、犬関連の仕事を目指してるんじゃないかな?

2002年ブランディ10歳

ブランディ、写真に写ってる君は何を思ってるんだろ?何かを探しに、過去を思い浮かべてるように見える。あのころに戻れればいいね。散歩で散々僕を引きずりまわした日々、裏庭でただボーッと奥の森を眺めてた日々。時間は待ってくれないのが、すごく残念・・・

ブランディ、ありがとう・・・君のおかげで僕は変わった。今は犬が大好きさ。それをおしえてくれて、ありがとう。今僕の思ってること、伝わることを願ってます。

ワイズ・オング



ブランディの元気な写真

ブランディの元気な頃の写真です。
ガンの手術から2年間見事に復帰しました。老犬でも綺麗な犬でした。
6月30日までは気ままに裏庭の木々の中をゆっくりと歩き、風を嗅ぎ、日差しを避けたお気に入りの木陰で涼み、ゆったりと時間を過ごせました。


今年の5月26日伊豆資料館の中庭で


退院の時の写真


裏庭で一緒に