本「ダメ犬 グー」は素晴らしい。

「犬は、神が送り込んでくれた天の使いです。」ポニー・F・キース。

『ダメ犬・グー』を読み終わった時、この言葉が私の頭の中を駆け抜けて行きました。この本は、癌と闘っている愛犬を抱えている私の心を、そっと撫でてくれました。繊細に選ばれた言葉の中に、作家ごとう・やすゆきさんの「愛犬・グー」に対する思いがいっぱい詰められています。

私の人生で、犬がいない生活はなかったです。
彼らは、寂しい時には優しく寄り添い、楽しい時には一緒に遊び、悲しい時には涙をなめて慰めてくれました。私たちが一番必要としているもの『無償の愛と信頼』を何の疑いもなく注いでくれる愛犬達は最良の友であり、家族です。
小さい頃、初めて来た新しい家族にワクワクして、一日中騒いでいたのを思い出します。あまり騒ぐので、母に「そんなにいじくり回したら、ワンちゃんが死んじゃうわよ!」と叱られ、泣く泣くケージに戻した事を昨日の様に覚えています。

子供は一つの幼い命を育てる事によって、責任、忍耐、共存、そして愛する事の大切さを覚え、犬が年を取りだんだん弱ってくるといたわりを覚えます。 そして、いつしか走ることも少なくなり、歩く事も容易ならなくなって寝たきりになっていて行く愛犬を看て、愛する者への辛い別れを覚えるのです。
「長生きして!」といくら心で叫んでも、彼等の時間は私たちの7倍のスピードで過ぎてゆき、一番恐れている別れの日が来る。彼等の最後の仕事は、私たちに別れを通して命の尊さや大切さを教えてくれるのです。


「Look at Me」 by Judy
この本には、私たち愛犬家が体験する色々なエピソードが出てきて、読んでいても顔がほころんでいる自分に気づきます。例えば『鼻チョン』と言うフレーズが何回か登場します。「そう、あれね!うちのもよくやっているわ。」あの「ねえ、ねえ、」と言っている、犬のボディーランゲージですね。うちのパールは、その後に頭を突き出し「撫でて」と膝にくっつけてきます。
本の中では、グーの死後その『鼻チョン』の鼻がだんだん柔らかくなって、しぼんで行く。
作者がグーの死を確認する下りは、涙で字が読めませんでした。
気取らない文章で、淡々と少年自身の成長と、犬との関係の成長を書き下ろしてあるこの本は、イラストもシンプルで、ユーモラスで、かわいいです。吹き出したくなるようなグーのポーズも沢山載っていて、うちの犬もこんなポーズあるなとしばし眺めたりしています。その可愛らしい仕草、優しい瞳がきっと『少年やすゆき』の心に「僕を助けてくれた。グー、ありがとう。」という言葉として残ったのでしょう。そう、私もそうだったから。
近年は、ペットロスによる鬱病が多く発生していると聞きます。
この本は、私たちにペットロスにならないよう準備運動をしてくれるエピソードが沢山入っています。
そして最後にくくられている言葉に、私は救われました。
「また会おうね。みんなで。」